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2009年2月の10件の記事

2009年2月27日 (金)

パパママムスメの10日間(五十嵐貴久)

パパママムスメの10日間 Book パパママムスメの10日間

著者:五十嵐 貴久
販売元:朝日新聞出版
Amazon.co.jpで詳細を確認する

まぁタイトルから中身は想像できたのです。
そしてまさにその通りでした。

「パパとムスメの7日間」から約2年の月日が経ち
今度はママも巻き込んで3人が入れ替わり・・・。

パパ→ママ
ママ→ムスメ
ムスメ→パパ

とこう書いただけでもややこしい。

でも、読んでみると混乱することもなく
読めてしまいます。

ドタバタコメディですが読んでいるときは楽しいです。

そして、何故だか期待してしまう・・・。

「パパママムスメバアチャンの14日間」
なんてね。

2009年2月25日 (水)

廃墟建築士(三崎亜記)

廃墟建築士 Book 廃墟建築士

著者:三崎 亜記
販売元:集英社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「七階闘争」
「廃墟建築士」
「図書館」
「蔵守」

相変わらずの世界観を持った、三崎短編集。

やはりこれくらい短いほうが
どの物語も余韻を感じられていいなと思う。

「図書館」はバスジャックに収録されている
「動物園」より派生したものだと思われます。

「動物園」で動物を表現したように、
今回は「図書館」の野生を表現する。

そして本からはじまる物語収録の「The Book Day」の
本の飛翔を起こしていく。

他の短編とのつながりみたいなものを感じるという
そういう楽しみもあるんだなと思う。

廃墟建築士などは現実の建築世界にも
一石投じているような様相。
偽装廃墟なる部分では思わず笑いそうにもなる。

そして、私が好きだったのは
「七階闘争」

これには常識というものは
誰が作るものなのか?
人の考え方をコントロールできるというのは怖いけど、
現実としてこういうことって行われてるんだろうとも思う・・・。

また、三崎さんでも読み直して、現実逃避でもしながら
現実でも見つめなおしてみるか・・・。

2009年2月23日 (月)

完全恋愛(牧薩次)

完全恋愛 Book 完全恋愛

著者:牧 薩次
販売元:マガジンハウス
Amazon.co.jpで詳細を確認する

表扉を開くとこんな文章を目にする。

 他者にその存在さえ知られない罪を完全犯罪と呼ぶ
  では
 他者にその存在さえ知られない恋は完全恋愛と呼ばれるべきか?

そう。これは完全に存在さえ知られない完全恋愛なのだ。
でも、それに気づくのはもっと先の話。

一人の男の歴史を追いながら、三つの事件が展開されていく。

主人公の画家である本庄究は最初疎開している少年として登場する。
少年は同様に疎開している画家の娘である朋音にほのかな想いを寄せる。

そんな折、朋音に手を出そうとしていたアメリカ兵が殺人事件に巻き込まれる。
朋音の犯行であるだろうと推測した究は罪を被ろうとする。

そして、第二・第三と事件が起こっていくのだが
ひた隠しにされた想いは最後まで隠されたままで終われるのだろうか・・・。

そしてここに完全恋愛が完成する。

2009年2月20日 (金)

WE LOVE ジジイ(桂望実)

WE LOVEジジイ Book WE LOVEジジイ

著者:桂 望実
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

コピーライター岸川は人気の中で突然の引退、
田舎暮らしを始めた。

それは後輩が自分の裏切りによって自殺してしまったという
負い目のようなものを背負ってしまったから・・・。

そんな岸川の元に地元活性化の為のアイディアが欲しいと
役場の池田さんがやってくる。

そして出したアイディアが「輪投げ」

それにしても町おこしの為に輪投げって・・・。
しかもなんだか難しいルールをたくさん付けたりして。

でも、読んでいると輪投げが楽しそうに思えてくる・・・。

過疎化であったり、高齢化であったり
問題点は山積みな地方財政で
なんとか楽しもうというそういうメッセージなのかもしれない。

ちょっとだけ希望が見えてくる感じかも。

2009年2月16日 (月)

煙霞(黒川博行)

煙霞 Book 煙霞

著者:黒川 博行
販売元:文藝春秋
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金塊100キロ、奪われたら奪り返せ!

私学の女子高の理事長が溜め込んだ不正金塊を
奪い合う騙しあいの連続。

相変わらずの大阪弁のリズムに乗って
物語は軽快に進んでいく。

今回は比較的一般人に近いところだったので
カタギに近い存在が多かったような記がします・・・。

そんなわけで登場人物のキャラが弱いような気はしたが
全体的には楽しめた。

やっぱり黒川作品の醍醐味は
大阪弁のテンポの良さだろう。

ページをめくる手が
急ぎぎみになるのを抑えてじっくりと楽しみたい。

そして次回作は二宮・桑原コンビに出てきてもらいたい。

2009年2月13日 (金)

架空の球を追う(森絵都)

架空の球を追う Book 架空の球を追う

著者:森 絵都
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「架空の球を追う」
「銀座か、あるいは新宿か」
「チェリーブロッサム」
「ハチの巣退治」ハチ退治を命じられて何でも屋に頼むが・・・
「パパイヤと五家宝」婦人の買い物のまねをするが・・・
「夏の森」
「ドバイ@建設中」
「あの角を過ぎたところに」
「二人姉妹」
「太陽のうた」
「彼らが失ったものと失わなかったもの」

以上11編の短編集。

この短編集は様々な国での風景を切り取っている。

かなりバラエティに富んでいるので
人の好みは分かれるだろうけど、
私が好きだったのは
「彼らが失ったものと失わなかったもの」
であった。

なんだか心の隅に暖かいものを残してくれた。

私も私の中で失わない確固たるものが
あればいいなと思う。

2009年2月12日 (木)

夢見る黄金地球儀(海堂尊)

夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア) Book 夢見る黄金地球儀 (ミステリ・フロンティア)

著者:海堂 尊
販売元:東京創元社
Amazon.co.jpで詳細を確認する

海堂尊の著書でありながら、ちょっと異質。
医学からは離れてのアクションもの。

ただ他の作品とのリンクは欠かせないようで
舞台は桜宮市であるし、登場人物にも共通点があります。

どうやら海堂氏の中では桜宮市の舞台は
ますます広がっていくようです。

ふるさと創生の為の資金1億円を桜宮市は
黄金の地球儀に投資をして、1.5億に成長している。

その地球儀をめぐる攻防を描いている。

主人公は「ヘイヘイ平介こと平沼平介」と悪友の
「ガラスのジョーこと久光穣治」の二人のドタバタ珍道中。

最後まで楽しみながら、読めたので
これはこれで良かったと思います。

なんとなく、医学ものじゃない時点で
手が伸びてなかったんですよね~。

2009年2月 6日 (金)

三面記事小説(角田光代)

三面記事小説 Book 三面記事小説

著者:角田 光代
販売元:文藝春秋
Amazon.co.jpで詳細を確認する

「愛の巣」
「ゆうべの花火」
「彼方の城」
「永遠の花園」
「赤い筆箱」
「光の川」

現実の三面記事を扉に配置して、
それぞれフィクションに仕上げた6編の短編集。

どの話も聞いたことのある事件でありながら
普段目にする事件の表側ではなくて
裏側というか内実が描かれている。

本当にありそうで、背筋がゾクゾクする感覚を覚える。

そして三面記事を野次馬的に読み流して
勝手に裏で想像する世界を目の当たりにする。

あー怖い。

2009年2月 4日 (水)

ヴァン・ショーをあなたに(近藤史恵)

ヴァン・ショーをあなたに  /近藤史恵/著 [本] ヴァン・ショーをあなたに /近藤史恵/著 [本]
販売元:セブンアンドワイ ヤフー店
セブンアンドワイ ヤフー店で詳細を確認する

「錆びないスキレット」
「憂さばらしのピストゥ」
「ブーランジュリーのメロンパン」
「マドモワゼル・ブイヤベースにご用心」
「氷姫」
「天空の泉」
「ヴァン・ショーをあなたに」

以上7品の上品なフレンチ。

ビストロ・パ・マルの三船氏はフレンチレストランのシェフで
日常の謎をさりげなく解いてしまう探偵役。

少しの会話のヒントで解かれる謎たちは
どれも凄惨な様子はなく、どこかホっとさせてくれる。

おいしい料理も登場し楽しめる。

どうやら私はまたしても失敗したようだが
これはこのシリーズの第2弾であり
「タルト・タタンの夢」というものがあるらしい・・・。

完全に一話完結ぽいので前後入れ違いでも
大丈夫なことを祈ると同時に第3弾にも期待する。

2009年2月 2日 (月)

君は永遠にそいつらより若い(津村 記久子)

君は永遠にそいつらより若い Book 君は永遠にそいつらより若い

著者:津村 記久子
販売元:筑摩書房
Amazon.co.jpで詳細を確認する

著者津村さんは最新回の芥川賞を受賞。
「ミュージック・ブレス・ユー!!」を読んではいたのだが
それだけに留まっていたのでデビュー作を手にとってみる。

主人公ホリガイ=ポチョムキン(女童貞)の明るくて
真っ向勝負な青春小説かと油断していた。

確かに、前半はホリガイの大学生活が描かれているのだが
だんだんと話はディープなところに進んでいく。

友人(と呼べるかどうかは?)ホミネの自殺から
イノギさんの過去までずどんと暗く落ちていく。

どこまでも落ちていきそうになる中で
どこかホリガイの強さが浮き彫りになっていく。

何かを問いかけられているのだろうが
私はそこまでの強さを持ち合わせてはいない・・・。

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